痛みのお話

痛みについて

痛みは、体に異常事態が起こった時に知らせてくれる警告反応としての大切な役割があります。しかしながら、痛みは日常生活に大きく影響するため、いち早く痛みを緩和させることが重要となります。 

痛みを感じると血管を収縮させる働きがある交感神経が興奮し、痛みのある部位の血流が低下します。痛みによる運動量の低下は基礎代謝量にも影響し、血流が低下するために体が冷えるなどの影響を及ぼします。血流の低下は、痛みを発する物質の蓄積を招き、痛みが増強・拡大し、その結果、運動量が更に低下していきます。このサイクルを「痛みの悪循環」といいます。
 ペインクリニックでは、痛みを軽減させ、体を動かして血流を改善させることを目的として、神経ブロック療法、運動療法や薬物療法を用いて、集約的に行います。

痛みの悪循環が長期間継続すると、体の苦痛だけでなく不安、恐怖、悲しみなどの負の感情が加わり、更に痛みを強く感じさせることがあります。近年、MRI検査を用いた脳画像研究により、『痛みと脳の関係』も解明されつつあります。人の脳は安静にしているときも活動しており、痛みを常に感じていると脳の機能は変化します。痛みが脳に記憶されるとともに、痛みによる不快感や体を動かす時の恐怖の感情も記憶されてしまいます。 

「痛かった」「動かすと痛かった」という負の感情は記憶されてしまうと消すことができません。そのため、ペインクリニックによって痛みを消失・緩和させ、リハビリテーションで体を動かすことにより、「痛くない」「動かしても痛くない」という記憶に書き換えることが必要になります。

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