活動報告

KAFCAでの医療講演

3月5日に大阪学院大学にて4年ぶりに開催された関西アメリカンフットボールコーチズアソシエーション(以下:KAFCA)の総会にて医療講演をさせて頂きました。KAFCAは「正しく安全なフットボール」をテーマとし、コーチへの情報の提供・共有そして育成を目的とし、アメリカンフットボールの発展・普及に貢献している団体です。

今回、私の講演の演題名は、長々しいのですが「大学アメリカンフットボール選手に対する安静時機能的MRI ~繰り返される頭部への衝撃が自発性脳活動に及ぼす影響の検討~」です。

脳は何も考えていない時でも活動していることから、安静時機能的MRIを使用してその活動を捉える研究から慢性的な痛みを持っている患者さんの脳機能が変化していることがわかりました。私は大学病院勤務時に安静時機能的MRIを使用し、帯状疱疹後神経痛の患者さんを対象にした脳機能研究をしていました。その研究結果は、「痛みの悪循環」の説明にあったように、帯状疱疹後神経痛の患者さんの脳機能は負の感情が強くなる傾向にありました。やはり、痛みを早く抑えることの重要性がわかる研究でした。

この研究をしているときに、アメリカンフットボール選手と脳振盪の問題が取り沙汰されました。そこで、アメリカンフットボール選手と脳機能の関係をテーマに関西学生アメリカンフットボール連盟の協力のもと研究をさせて頂くこととなりました。結果的に脳機能に異常は見られませんでしたが、変化している部位(異常ではない)もあったことから、経時的に変化をみていく必要性を感じました。

現在、サッカーでは若年者のヘディングの制限をしているなど、アメリカンフットボールだけでなく練習時から脳に衝撃が加わるスポーツ(アメリカンフットボール以外ではボクシング、レスリング、アイスホッケー、ラグビーやサッカーなど)においては、脳への衝撃回数や疲れの蓄積を抑えることが考えられています。

野球の投手においては球数制限があるように、アメリカンフットボール選手においても一日のヒット回数の制限や、オフの期間をしっかりとつくることを指導者と選手が認識することが重要と考えています。

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